出典:https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/fujoshi/

先回の第4話は、主人公の純(金子大地さん)がゲイだということが紗枝(藤野涼子さん)にバレてしまったり、ネット上の友人のファーレンハイト(声:小野賢章さん)が自ら命を絶つなど、とても波乱な展開でした。

全8話のまだ前半だというのに、この展開は早いですよね〜。

でも、この物語は実はここからが佳境なんです。

第5話は、うっかり泣いてしまうようなとても心をえぐられるストーリーとなっています。

さて、このストーリーに挿入されるQueenの曲タイトルは、

Bohemian Rhapsody

作詞作曲を手掛けたFreddie Mercury(フレディー・マーキュリー)の一生を描いた映画のタイトルにもなっているこの曲は、Queenで最も売れた曲の一つなので、知ってる方も多いかと思います。

一体この曲は、今回のストーリーとどう絡んでくるのでしょうか?

では早速、この曲の歌詞と日本語訳、ドラマのあらすじやストーリーと曲との関連性について一緒に見ていきましょう。

スポンサーリンク

腐女子、うっかりゲイに告る第5話で流れたQueenの曲の歌詞は?

この曲の邦題は「ボヘミアン・ラプソディ」。

この曲を聴いていると、なんとなくオペラを聴いているような気分になります。

間違いなくQueenの、そしてフレディーの最高傑作の一つであるこの曲を、まずは聴いてみましょう。

Bohemian Rhapsody


Is this the real life, is this just fantasy
Caught in a landslide, no escape from reality
Open your eyes , look up to the skies and see
I’m just a poor boy, I need no sympathy
Because I’m easy come, easy go, little high, little low
Any way the wind blows, doesn’t really matter to me
…to me

Mama, just killed a man, put a gun against his head
Pulled my trigger, now he’s dead
Mama, life had just begun
But now I’ve gone and thrown it all away
Mama oooh… Didn’t mean to make you cry
If I’m not back again this time tomorrow
Carry on, carry on, as if nothing really matters

Too late, my time has come, sends shivers down my spine
Body’s aching all the time
Goodbye everybody, I’ve got to go
Gotta leave you all behind and face the truth
Mama oooh (Any way the wind blows)
I don’t want to die, I sometimes wish I’d never been born at all

I see a little silhouetto of a man
Scaramouche, scaramouche, will you do the Fandango
Thunderbolt and lightning, very very frightening me
Galileo (Galileo)
Galileo (Galileo)
Galileo figaro (Magnifico)
But I’m just a poor boy and nobody loves me
He’s just a poor boy from a poor family
Spare him his life from this monstrosity
Easy come easy go, will you let me go
Bismillah! No, we will not let you go, let him go
Bismillah! We will not let you go, let him go
Bismillah! We will not let you go, let me go
Will not let you go, let me go
Will not let you go let me go
No, no, no, no, no, no, no
Mama mia, mama mia, mama mia let me go
Beelzebub has a devil put aside for me, for me, for me

So you think you can stone me and spit in my eye
So you think you can love me and leave me to die
Oh baby, can’t do this to me baby
Just gotta get out, just gotta get right out of here

Nothing really matters, anyone can see
Nothing really matters, nothing really matters to me
Any way the wind blows….

Bohemian Rhapsody
Written word and music by Freddie Mercury

先週の挿入歌である「The March of the Black Queen」と同様、曲の構成がまぁ複雑ですよね。

この曲を聴くたびに、フレディーらしいというか、これこそQueenというか、芸術的な作品だなぁと唸ってしまいます。

曲調はオペラ風ですが、曲内容はどうなのでしょうか?

次に、日本語訳を見てみましょう。

スポンサーリンク

腐女子、うっかりゲイに告る第5話で流れたQueenの曲の日本語訳/意味は?

作詞を手がけたフレディーが、意味などについて多くを語ろうとしなかったというこの曲。

多くを語らないとますます知りたくなるのがファンの心理というものですよね。

早速日本語訳を見て、どうしてフレディーが多くを語らなかったのか想像してみましょう。

Bohemian Rhapsody
邦題:ボヘミアン・ラプソディ

(日本語訳)
これって現実?それともただの幻?
土砂崩れに巻き込まれたように現実から逃れられない
目を開けて、空を見上げてみてごらん
僕はただの哀れな少年、でも同情はいらない
だって僕は、ふらりとやってきてはふらりといなくなる男だもの、いい時もあれば悪い時もあるよ
どんな風が吹いたって、僕にはどうでもいいことさ、僕にはね

母さん、人を殺してしまったよ、頭に銃を突きつけて
引き金を引いたら、死んでしまった
母さん、僕の人生は始まったばかりなのに
僕はもうおしまい、すべてを台無しにしてしまった
母さん、母さんを悲しませるつもりはなかったんだ
もし明日の今ごろ僕が帰って来なかったとしても
何もなかったかのように、これまで通り暮らしていっておくれ

もう手遅れだ、もう終わりなんだ、背筋がぞっとする
ずっと体が痛い
さよならみんな、もう行かなくちゃ
みんなを後にして真実と向き合わなくちゃ
母さん(どんな風が吹いたって)
死にたくない、時々生まれてこなければよかったのにと思うよ

男のシルエットが見える
スカラムーシュ、スカラムーシュ、ファンダンゴを踊ってくれるかい?
雷鳴や稲妻がとてもとても怖いんだ
ガリレオ(ガリレオ)
ガリレオ(ガリレオ)
ガリレオ フィガロ(高貴な人よ)
でも僕はただ哀れな少年で誰にも愛されない
彼はただ貧乏な家の出の哀れな少年なのさ
この怪物から彼を逃してやってくれ
ふらっと出てきてはふらっといなくなる、僕を行かせてください
お願いです! いや、お前を行かせてなるものか、彼を行かせてやろうじゃないか
お願いです! お前は行かせない、彼を行かせてやろうじゃないか
お願いです! お前は行かせないぞ、僕を行かせてください
お前は行かせない、僕を行かせてください
お前は行かせない、僕を行かせてください
だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、だめだ、だめだ
どうか、どうか、どうか私を行かせてください
ベルゼブブが僕に差し向ける悪魔をもう用意しているんだ、僕のために、僕のために

だから君は僕に石を投げつけ、僕の目につばを吐きかけてもいいなんて思ってるんだね
だから君は僕を愛したり、見殺しにしてもいいなんて思ってるんだね
あぁベイビー、そんなことしないでくれよ、ベイビー
出て行かなくちゃ、ここから出て行かなくちゃ

何があったってどうでもいいのさ、みんなわかってることさ
別にどうってことない、僕にはどうってことないのさ
どんな風が吹いたって…

ボヘミアン・ラプソディ 作詞/作曲 フレディー・マーキュリー

途中、「Scaramouche(スカムラーシュ)」とか「Fandango(ファンダンゴ)」などという意味のわからない言葉の羅列があって、どう訳したらいいかと悩みました。

「Scaramouche(スカムラーシュ)」というのは、イタリアのコメディーにおいて、からいばりをする道化役のことなのだそうです。

また「Fandango(ファンダンゴ)」スペインのダンスで、ギターと手拍子、カスタネットの伴奏で踊る、男女ペアのフラメンコを指すそうです。

その他の「Galileo(ガリレオ)」は、あのガリレオ・ガリレイを指し、「Figaro(フィガロ)」モーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」のフィガロを指すようです。

曲全体のイメージや背景を考えた結果、敢えて訳さずその単語のままにしました。

作詞をしたフレディーが曲について多くを語らなかったため、どうしてこれらが歌詞に出てきたのか本当に意味するところは未だに不明です。

ちなみに、「Bismillah(バスマラ)」とは、イスラム教で唱えることばで、「おお、神よ!」などという意味で、神を讃える時に唱える言葉のようです。

「Beelzebub(ベルゼブブ)」は、力ある悪魔の名前です。

意味不明の単語を除けば、訳はは意外とすんなりとできたこの曲ですが、次にこの曲についてもっと詳しいところを見ていきましょう。

スポンサーリンク

腐女子、うっかりゲイに告る第5話で流れたQueenの曲の解説

この曲は、1975年10月31日にリリースされたアルバム「 A Night at the Opera(邦題:オペラ座の夜)」に収録されており、同年シングルとしてもリリースされた人気曲です。

フレディーがこの曲を創作しだしたのは1960年代後半のこと。

この曲を創作するにあたって、フレディーは3つの別々な曲が頭に浮かんでいたそうなんですが、それを一つにまとめてこの曲になったそう。

なんと制作当初は16分もの長さがあったんですって。

曲構成はこうなっています。

アカペラ
バラード
ギターソロ
オペラ
ロック
アウトロ(曲の終結部)

なるほど、3曲を詰め込んだ結果がこう言う複雑な感じになるんですね。

曲時間が約6分あり、長すぎると当時は物議を醸しましたが、もともと16分の曲を6分にまとめたと思うと逆にすごいと思いませんか?

曲構成が複雑で、メンバ−4人だけでの演奏は難しいため、ライブではほとんど通しで歌われることのなかったこの曲ですが、ファンの熱い声援に応えて、部分的に演奏されるようになったそうです。

さて、この曲についてフレディーは「リレーションシップ」に関する歌なのだということ以外、詳細を語ろうとはしませんでした。

ギター担当のBrian May(ブライアン・メイ)はフレディーについて、彼は表面ではおどけて何の悩みもないように見えるが、子どもの頃に抱えた不安や問題などを隠していると述べています。

フレディーはQueenのメンバーにさえこの曲の本当に意味することを語らなかったそうですが、ブライアン・メイは、この曲にはフレディーの個人的なトラウマが含まれており、曲全体が彼自身のことを反映させているのではないかと語っています。

最初この曲を聴いた時は、この曲がフレディーがAIDSを患って苦しんでいる曲なのかと思っていましたが、この曲が作られた1975年にはまだHIVに感染する前なのでそれではないことがわかりました。

また、この曲が発売された1975年頃に、フレディーが最愛の恋人Mary Austin(メアリー・オースティン)と破局したことを考えて、この曲が、自身を「ゲイ」と自覚して苦しんでいる歌かとも思っていました。

歌詞の中にある、殺してきたという男は、それまでのフレディー自身だったのではないかと…。

でも、歌詞の中では自分をboy、つまり少年だと言っている点や、フレディーが幼い頃に父親とあまりうまくいってなかったという点、出生時の名前「Farrokh Bulsara(ファルーク・バルサラ)」を改名してしまった点を考えると、ブライアンが言うように、彼の少年時代に何かトラウマになるようなことが起こって、その悪夢から逃れたいという歌だったのではないかと思うようになりました。

それでもやっぱり、想像の域を出ることはできませんね。

それにしても、Queenの曲は、たいていタイトルが歌詞の中に入ってるんですけど、この「Bohemian Rhapsody」は、歌詞の中に「Bohemian Rhapsody」が出てこないんですよね〜。

タイトル「ボヘミアン・ラプソディ」の言葉の意味は、放浪民族「ボヘミアン」の「狂詩曲」といったところですかね。

曲内容というより、オペラとロックが一つの曲の中に入っていたりしている曲構成が「ボヘミアン・ラプソディ」って感じがしますね。

それでも全ては、想像の域を出ることができません。

残念です。

謎が多い曲って、どうしてこんなに惹かれるんでしょうね。

それでは次にお待ちかねの、ドラマ第5話のあらすじについて見てみましょう。

この曲がどう関係してくるのでしょうか?

スポンサーリンク

腐女子、うっかりゲイに告る第5話のあらすじ(ネタバレ注意)

紗枝と温泉デート中に、ネット上の友人であるファーレンハイトから自動で送信された「遺書」を受け取り、激しく動揺する純は、偶然同じ温泉に居合わせたマコト(谷原章介さん)に助けを求めた時に、マコトとキスしているところを紗枝に見られてしまいました。

しかも、純は紗枝に何の言い訳もせず、

「いいじゃん別に、ホモ、好きなんでしょ」

などと暴言を吐き、紗枝にビンタを一発くらいました。

紗枝が好きなのは「ホモ」ではなく、純なのに。

その後はさすがの紗枝も、純に近づかなくなりました。

お互い学校で目があっても目をそらす、すれ違う時は顔をそらすという状態が続いて、クラス中の誰もが純と紗枝の様子がおかしいことに気づいていました。

親友の亮平(小越勇輝さん)が紗枝を好きなことを知っていながら紗枝と付き合うことにした純を許せない小野(内藤秀一郎さん)は、純が紗枝とうまくいっていない様子が気に入りません。

友達を裏切ってまで付き合った彼女なのに…。

いてもたってもいられなくなった小野は、純を問いただします。

小野:「おまえ、三浦と別れたの?」

純:「三浦さんに聞いたら?」

小野:「おまえ本当にクソだな」

純:「そんなクソに構う時間、もったいなくない?」

小野:「俺だって、亮平のことがなけりゃ、おまえなんかな…」

純:「なんでそんなに亮平が気になるの?」

小野:「は?」

純:「好きなら告白すればいいじゃん」

小野:「おまえふざけんなよ!」

純:「まぁ、あいつスキンシップ激しいだけのノーマルだから振られると思うけど」

純はわざと憎まれ口を叩いてさらに小野を怒らせてしまいます。

放課後、純を心配した亮平が玄関で純を待ち伏せていて、二人は一緒に帰ることに。

二人は二人が出会った公園のベンチに腰掛けます。

純は、両親が離婚した直後にこの公園で亮平と出会い、亮平が話しかけてくれて友達になった時のことを思い出します。

亮平はそこで、クラスメイトの今宮(吉田まどかさん)に告白されて断ったことを純に告げます。

「(今宮のことは)好きだけど、そういう好きとは違う好きで…俺がそういう風に好きなのは三浦だから」

そういう亮平は、続けて純に紗枝への気持ちを問いただします。

亮平:「純くんは三浦のこと、好き?」

純:「わからない」

亮平:「その純くんのその感じ、三浦にも伝わってるんだと思う。何があったか知らないけど、ちゃんと今の純くんを丸ごと素直に伝えてみたら?言っとくけど俺、それで二人が別れればいいなんて思ってるわけじゃないから。」

そう言われて純は、紗枝と向き合い、今まで「ゲイ」仲間以外には言ったことのない、本当の自分について話すことを決意。

翌日の放課後に紗枝を呼び出し、自分は「ゲイ」でキスしていた相手は「恋人」だと伝えます。

マコトが家族持ちだと気づいていた紗枝は、マコトの行為が不倫だと非難し、「ゲイ」が世間体のために女と付き合って、裏で本当に好きな男と付き合っていることに憤慨。

紗枝:「ゲイなんか好きなる方が悪いって、そういうことなの?」

純:「違う、それは絶対違う。僕は…僕はただ、両方欲しかっただけなんだ。僕は男の人が好き。でも、普通の人生だって諦められないんだ。女の人と愛し合って結婚して、自分の子どもを作って、息子と一緒にキャッチボールしてみたい。娘に可愛い服を着せてあげたい。僕だって、普通の幸せが欲しいんだ。」

純:「だから証明したかった。僕はいつだって女の人と付き合える。三浦さんとなら、三浦さんなら好きになれるかもって、本当に思ったんだ。なのに、どうしても勃ってくれなかった。本当に申し訳ないと思ってる。」

紗枝:「なにそれ?それを聞いて、私はどうしたらいいの?安藤君を本気で好きになって、その話を聞いて、今更嫌いにもなれないわたしは、どうしたらいいの?絶対に振り向いてくれない人を本気で好きになったわたしは、どうすればいいの?」

その時、二人がいた教室の扉が勢いよく開き、小野が入って来ました。

「今の話、どういうことだよ!」

と小野。

小野は二人の会話を聞いてしまったのでした。

亮平を苦しめた上に、無理矢理付き合った紗枝をも傷つけた純を、小野はどうしても許すことができず純を責めます。

純:「マヌケだよな。亮平もマヌケだよな。ホモに女取られるとか。」

自分を断罪してほしい純は小野にわざと悪態をつき、小野に殴られます。

殴られた拍子に落ちた音楽プレーヤーで、純がQueenの曲を聴いていることを発見した小野は、

「おまえ、Queenとか聴くんだ。そっか、ホモ仲間だもんな。」

と言い捨てます。

自分を窮地から救ってくれたQueenを馬鹿にされた純は逆上し、小野に殴りかかります。

それから二人は、先生が二人を止めに入るまで殴りあうのでした。

純の母・陽子(安藤玉恵さん)は学校に呼ばれ、女の取り合いで殴り合いになったと説明を受けます。

帰りのバスの中で陽子は、

「男前だね。女の奪い合いで殴りあうなんて、青春真っ盛りって感じだね。でも純くんも女の子のために、体張ったりするんだね。…彼女、今度ちゃんと紹介してね。純くんにここまでさせる女性に、一回会ってみたいんだよね。」

そう言って、小野に殴りかかった純を責めることもなく、温かく純を包み込みます。

…しかし、純はそんな母親の優しさが申し訳なく、ますます自分を許せないのでした。

次の日、教室に入ると突然みんなの会話が無くなり、「おはよう」といった純に対しても、「あ、あぁ」というような不自然な挨拶が返ってきます。

幼馴染の亮平だけが、一生懸命純に話しかけてくるのですが、なんだかいつもと様子が違います。

「亮平、あんまそいつと話さない方がいいぞ。惚れられたら困ンだろ。おまえはキモいホモ野郎とは違うんだから気をつけないと。」

小野がそう言ったことで、純はクラス全体に自分が「ゲイ」だということがバレたのだと気づきます。

「小野っちやめろ!」

亮平は純を庇います。

「なんで、こいつは男に興奮する変態だよ?おまえ幼馴染だから一番危ないって。」

そう続ける小野を再度制した亮平は、

「俺、気にしてないから。言ってくれたら、相談とかのれたのにって思うけど、何も気にしてないし、何も変わらない。」

と言います。

純:「あぁ、だからか。だからいつもみたいに触らなかったのか。」

会うたびに挨拶代わりのように、あれだけ純の股間をニギニギしていた亮平が、今日は触ってこなかったのです。

トイレに行ってくると言って教室を出た純に、小野が

「いい男見つけても襲うんじゃねぇぞ」

と追い討ちをかけます。

クラスメイトの視線が痛い。

自分を気持ち悪いと思っている。

クラス中に本当の自分を知られてしまった純、そして、クラス中が自分をどういう目で見ているかを知ってしまった純。

本当の自分を知られるのは、思っていたよりも辛い事でした。

涙を流しながら教室を出た純は、登校してきた紗枝とすれ違います。

泣いている純を見かけて紗枝はどうしたのかと尋ねますが、純は「どけよ!」と言って、走り去ってしまいました。

心配になった紗枝は屋上にいた純に話しかけます。

「顔大丈夫?あのね、安藤くんが心配するほど、みんな気にしてないよ。少なくとも、女子は気にしてない。周りに言いふらした小野くんが最悪って感じ。友達には安藤くんが苦しんでたこと、ちゃんと説明した。私はほら、BLが好きだから、二人の相性は完璧!」

…とそこへ、

「聞いた?3年のホモ。」

「なにそれ?」

「3年にいるらしいよ。便所で会ったらどうしよう」

「便所で股間覗き込んでくる奴いたら警戒しろよ」

という会話が聞こえてきます。

近くのベンチで後輩とみられる生徒が二人、冗談交じりで話していたのでした。

純は通りすがりに

「テメェらのなんか見ねぇよ」

と言い捨てて、屋上を去って行きました。

そしてその日の六時限目の体育の時間に事件は起きます。

体育着に着替える教室に純が入ると、教室が静まり返りました。

体育着に着替えようとする純でしたが、小野がまた純にひどいことを言います。

小野:「おい、出てけよ」

純:「なんで?」

小野:「お前のおかずになる気ねぇから」

純:「しないよ、そんなこと」

小野:「変態の言うことなんか信用できるわけねぇだろ」

本気で小野をたしなめる亮平。

あくまでも純を守ろうとする亮平を疎ましく思った小野は、純のことが気持ち悪くないのかと亮平に問い詰めます。

亮平は、

「今はそういうこと気にする時代じゃないでしょう?好きでそういう風になったわけでもないし、もちろん病気なんかじゃない」

必死に弁明する亮平を遮って小野はさらに続けます。

「質問に答えろよ。時代じゃないとか、好きでそうなったわけじゃないとか、病気じゃないとか、そんなのはどうでもいいんだよ。俺らには何の関係もない。大事なのは、俺たちがあいつのことを気持ち悪いと思うかどうかだろ。なぁ亮平、お前は本当にあいつのこと、気持ち悪いと思わないの?もしかして、おまえもあいつの仲間なの?」

そう言われて亮平は、

「違うよ!」

と声を荒げて即答します。

純を否定したようでハッとした亮平は、「俺は…」と弁解しようとしますが、明らかに答えに困っています。

答えに困っている亮平を見て、純は

「わかった、出て行く。着替えづらいよね、僕がいたら…」

と言って涙を流し窓の外に出ます。

「純くんっ!」

と叫んで走り出す亮平。

なんと、窓の外に出た純は、フェンスに足をかけて立っているのでした。

教室は3階。

外から純の様子が見えた女子たちも動揺します。

その光景を見た紗枝は、急いで教室に向かいます。

純:「亮平、今まで本当にありがとう。今日まで頑張れたの、亮平のおかげ。僕さ、亮平とセックスする夢見たことあるんだ。スゴイ変態だろ。」

亮平:「それがなんだよ。俺だって藤セン(英語の先生)とセックスする夢みたことあるから…オナ禁すれば頭よくなるって聞いたからオナ禁チャレンジ中でさ、朝起きたら夢精してた。引くだろ、俺って変態だろ?なぁ、俺、めっちゃ、めっちゃ変態じゃん。…小野、謝れよっ、早く!」

純:「大丈夫、お前のせいじゃない。僕が悪い。僕がこんな風に生まれちゃったから。もう疲れた。ただそれだけなんだ。だからお前は関係ない。」

「安藤くんっ!」

と言って、教室に辿り着いた紗枝に微笑みかけた純は、

「バイバイ」

そう言って、3階の窓から飛び降りてしまいました。

ーあぁ、欲しかったな。普通が。ー

飛び降りた瞬間、純は心からそう思いました。

しばらくして、純の顔を覗き込んで涙をボロボロこぼしながら何かを必死に言っている紗枝の姿が純の視界に入ります。

ー冷たい…雨?三浦さん?泣かないで、僕は三浦さんを、ちゃんと好きなんだよ。ただ、どうしても勃ってくれないだけなんだ。ー

これは現実?それとも幻?

第5話は以上です!

さて、今回挿入されるQueenの曲は「Bohemian Rhapsody」ですが、今回のストーリーとどう関わってくるのでしょうか?

次に、ストーリーと曲との関係について見てみましょう。

腐女子、うっかりゲイに告る第5話のストーリーと曲との関係

今回は、ストーリーと曲との関係が、ストレートに原作に描かれていたのでとてもわかりやすかったです。


歌の中で、人殺しの男は死にたくないと嘆く。そのくせ、生まれてこなければよかったと嘯く。どうしてこんなことになったんだと自らの生を呪い、出口のない葛藤の海に沈んでいく。


まるで今の僕のように。

原作「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」ー浅原ナオト先生作より抜粋

これは純が、紗枝に本当の自分について打ち明けた際に、小野に二人の会話を聞かれてしまい、結果小野と殴り合いの喧嘩に発展してしまった日の帰りの純の心の中です。

でも事態はもっと悪い方向へ向かいました。

純が「ゲイ」であることはそこらじゅうに知れ渡り、クラスメイトの視線や態度が、純が「気持ち悪い」と示し、自分が予想したよりはるかに辛いカミングアウトの現実を知ります。

「ゲイ」であることがそんなに悪いのか?

辛い現実から抜け出せない純。

「僕たちのような人間は、どうして生まれてくると思う?」

あのファーレンハイトでさえ答えを導き出せなかったのです。

純はすっかり疲れてしまいました。

曲中で男が言う、「生まれてこなければよかった。」という思いに純は囚われてしまったんですね。

ストーリーの激しい展開もまた「Bohemian Rhapsody」のドラマチックな曲調と合ってますよね。

今回の挿入歌は、第5話のストーリーでの純の心中を表しているという、とてもシンプルな関係性でした。

腐女子、うっかりゲイに告る第5話で流れたQueenの曲の意味のまとめ

第5話で挿入されたQueenの曲は、

「Bohemian Rhapsody」

で、浅原ナオト先生原作の「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」では第5章のタイトルです。

「生まれてこなければよかった」

純がそれほどまでに思い詰めていることを、純がそれまで自分が「ゲイ」であることにどれほど傷つき、肩身の狭い思いをしてきたのか、誰が理解できたでしょうか?

抜け出せない辛い現実を突きつけられた純。

まさに「Bohemian Rhapsody」の歌詞の状態でしたね。

先週もそうでしたが、原作のストーリーを1話30分に詰め込むというのに少し無理があったり、NHKでは表現できない言葉などが省略されていることで、原作の良さがちょっと薄れている印象がありました。

ドラマもすごくいいです。

でも原作はもっといいです。

ドラマでは読み取りにくい純の心の中や情景が、原作ではドラマを見るように鮮やかに描かれています。

ドラマを見た方も、原作をぜひ読んでみてほしいです。

とてもサラサラと読めますから(笑)

ドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る。」の原作を読むならこちら↓↓↓
「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(浅原ナオト著)

何回読んでも、結末がわかっていても同じところで泣いてしまうんですよね〜。

今回の第5話は本当に山場で、原作でも何度も泣いてしまいました。

さて、教室の窓から飛び降りてしまった純。

物語はどういう方向へ進むのでしょうか?

さて、次回「腐女子、うっかりゲイに告る。」第6話は、

2019年5月25日(土)午後11時30分から放送です!

お楽しみに!

スポンサーリンク